保険入れ歯をお勧めする理由 

日陰の存在 保険入れ歯

なぜ多くのドクターは入れ歯を嫌がるのか

歯医者が最も言われたくない言葉。それは「痛い」と「外れた」です。入れ歯は、歯ぐきに食い込んだら痛みます。外れることもあります。頑張って入れ歯を作っても、入れ歯はその特性ゆえに、「痛い」「外れた」と言われやすいです。
「痛い」「外れた」という声に向き合い続けるのは大変です。保険は点数が決まっているので、採算度外視で治療を続けることもできません。入れ歯作りを一生懸命やるドクターほど自費に向かう傾向があります。それは「点数が低い保険診療では自分のやりたいことができない」と考えてのことでしょう。

保険入れ歯はだれも宣伝しない

歯科医院が作る入れ歯の数は年平均6個(総務省統計局 平成27年社会医療診療行為別統計より計算)。のぶ歯科の1年1000個という数は桁外れです。患者さんは年々増えています。保険入れ歯を宣伝しているクリニックが他にないからでしょう。
ドクターたちは保険入れ歯の需要があることは知っています。でも、保険入れ歯を宣伝する人はいません。インプラントや自費入れ歯と比べると地味でかっこよくないからでしょうか。
入れ歯が上手な先生はいます。でもそういう先生は職人気質なので、そもそも宣伝をしません。だから患者さんは、保険入れ歯をどこで作ったらいいかわからないのです。そこで適当なクリニックに行くと、どうなるか? 年に数個しか作っていなければ、入れ歯作りのコツなどわかりません。もちろん手順は知っているので、らしきものは作れますが、「これで合っているのか?」と自信がないまま出来あがります。そして「やっぱり保険入れ歯はダメだ」と言われてしまうのです。

入れ歯との戦い since 2006

年間5個からのスタート

開業前に勤務していたクリニックは自費入れ歯で有名でした。高額な自費入れ歯をじっくり作る方針で、私が作った入れ歯は年間5個程度でした。
2006年に開業してからも同じようなペースで自費入れ歯を頑張っていました。開業後まもなく「BPSデンチャー」という入れ歯作りのシステムと出合い、「自分はこれで勉強して、入れ歯で困っている人に提供していくんだ」と志を掲げました。「BPSデンチャー」は開業したての私が学ぶべきことが網羅されていたと思います。現在ののぶ歯科の入れ歯マニュアルにも、ここで学んだことが生かされています。

2008年、運命の出会い

開業3年目。入れ歯制作数は年間40個まで増えました。入れ歯作りを探求する中で、現在も一緒に仕事している歯科技工士の森永純さんと出会います。この出会いが私の入れ歯人生を変えました。「入れ歯は実は技工士で決まる」で詳しくお話しますが、入れ歯作りがうまくいくかどうかは、技工士さんとの連携にかかっているのです。通常、ドクターと技工士は「発注者と受注者」の関係です。自費診療では患者さんを一緒に診察する場面もありますが、ドクターが指示して技工士がそれを受けるのが通常です。しかし、出会った当初、私は「技工士さんに指示するスキル」が不足していました。そこで患者さんの前では私が指示をしているふりをしながら実は森永さんが教えてくれている…という状況が何度か繰り返されました。その中で私は、技工士さんはどうやって作業するのか? 何を伝えたらよいのか? といったことをつかむことができました。それもマニュアルに落とし込み、勤務医に共有しています。

「いいものを早く」に気持ちが傾く

2011年、入れ歯制作数は変わらず年間40個。時間をとって一生懸命、丁寧に入れ歯を作っていました。でも、心の中には葛藤がありました。丁寧に作った自費の入れ歯は、患者さんに喜んでもらえるけれど、数はあまり作れない。値段が高いから期待も高い…。
そんな中で、「入れ歯作りのポイントを絞れるようになってきた」と感じるようになりました。そして、「いいものは時間がかかるから自費入れ歯をやる」と考えていたけれど、時間が短くできるなら保険でもいいのでは?と考え始めるようになります。
保険で数をこなすことを想定し、マネージャー職のスタッフを採用して体制を整え始めました。続く2012~2013年は試行錯誤と教育の時期でした。技工士の森永さんと、診療後や休日に打ち合わせを重ね、保険入れ歯のマニュアル作りを進めました。
2012年の入れ歯制作数は40個。赤字でしたが開発のため必要な期間でした。そして2013年には年間100個まで増えました。

「保険入れ歯」に舵を切る

保険入れ歯を主とする体制へと、本格的に舵を切ったのは2014年。保険入れ歯のマニュアルはより完成されていきました。こういうときはこうする、という方法論が蓄積され、イレギュラーだと思っていた症例も次々とマニュアル化に成功。入れ歯制作数は年200個になりました。
早くたくさん作っても不良品では意味がありません。確実にスピード対応できるよう精度を上げ続け、2016年には600個、2017、2018年には年間1000個超えを達成しました。
数は力です。入れ歯を作れば作るほど経験が増えます。経験があるから次はもっと早く、うまくできます。いまはその好循環を生かせていると思います。

入れ歯は実は技工士で決まる

入れ歯作りの難しさ

「歯医者さんなら上手に入れ歯が作れる」そう思っている方も多いでしょう。もちろん歯科医師はみな、大学で入れ歯作りを学びます。しかし、大学で学ぶのは理論だけ。そして現場では入れ歯の症例数が少なく経験を積めない場合が多いのです。経験は詰めたとしても他の問題があります。歯科医師と歯科技工士のコミュニケーション不足です。通常の入れ歯作りの行程では、歯科医師と歯科技工士とで情報共有がしづらく、歯科技工士には「患者さんが後日どうなったか」といったフィードバックが届かないのです。
逆に、こうした問題が解消できれば入れ歯は格段によくなります。

いかに情報と理念を共有できるか?

のぶ歯科の年間1000個を超える入れ歯を作っているのは、提携技工所(森永純さん率いる「ライズデンタルコミュニティー」)の技工士さんたちです。のぶ歯科のドクターには技工所との連携を徹底しています。必要に応じて患者さんの写真を撮って送りますが、こういうときはこういう写真、と撮り方を決めてあります。また、写真やメモを送るだけでなく電話でも相談します。ここでの手間は二倍かかりますが、そのぶん最後にズレるようなことがないので結果はむしろ早くなります。こちらから投げた情報を、森永さん達は全て受け止めてくれます。良い入れ歯を、早くたくさん作る。その理念を共有し、体制を整えているからです。普段からしっかり話し合っているのでエラーが起きたときも次の対応がスムーズです。

入れ歯づくり楽しみポイント

やっぱり入れ歯作りは楽しい

型どりのとき、のぶ歯科では通常の1.5倍くらいたっぷり印象剤を使います。確実に型どりするためそうしているのですが、贅沢に使う感覚が気持ちいいです!…と、そんなマニアックな「好きポイント」もあり、入れ歯作りは何だかんだと楽しいです。できた入れ歯を初めてつけるとき、噛み合わせがピタッと決まったら心の中でガッツポーズします。

一番うれしいこと

1人でも多くの方に、いい入れ歯を届ける。そのための仕組みを頑張って作りました。あらゆるエラーを想定し、それが起きないようマニュアルの精度を高めました。私が最もうれしいのは「全ドクターがエラーを起こさず、入れ歯づくりがスムーズに進んでいる」という状況そのものです。今日もみんなで頑張って入れ歯を作っています。

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